畳の起源

 

たたみ、重ねる敷物「畳」

     畳はわが国に生まれはぐくまれた日本特有に生活必需品である。

   平安時代の昔から住生活には切り離す事の出来ない床材となった。

   畳の材料は、わら、イ草、または七島藺、それに少量の布と紙と木から成る。

   畳は、畳床、畳表、畳縁と大きく分けられ形作られるもので、個々の材料の

   耐久性は、いずれも短命にもかかわらず、一個の畳として形作られると半永久的なものに

   変化するという魔か不思議な床材であり、敷物である。

    畳は、「たたむ」ことを意味し、折り返して重ねる意味でもあって、たためるもの、
   重ねられるものから敷物すべてに意味したものである。

   畳が、最初に文献に現れたのは奈良時代の「古事記」(和銅5年<712>)

   火遠理命(ほおりのみこと)の条で「海驢の皮の畳」(アシカの皮の敷物)と「絹畳」(絹織り布の敷物)が記される。

   神武天皇の条には「菅畳」「皮畳」(毛織りの敷物)、「絹畳」をそれぞれ幾重にも重ねて敷きて、と記される。

   これらを「畳」と称している。

   「倭名類聚抄」(わみょうじゅしょう)(承平7年<937>日本で最も古い漢和辞典〕徒協の反は重ねた敷物である。

   「日本名は、太々美なり」とあり畳とは薄い敷物、つまり薄畳(薄縁ともいう) 
  

佐藤理氏著書より抜粋   

 
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